雑記

第12回RW研究会  

以下告知です。第一部のみ、または第二部のみの参加も可能です(よね、同人のみなさん)。 ちなみに、第一部で上映されるTVドキュメンタリーには字幕がついていませんので、ご了承ください。 「ボーダーを越える」 レイモンド・ウィリアムズ研究会 第12回研…

冬がまた来る 

「風が冷たくなって、冬のにおいがした」(原曲キーで)せいなのかどうかわからないが、最近、死んだ人たちのことを思う時間が、つまり追憶のなかに身を置いている時間が長くなっている気がする。だから、『TOCHKA』の松村監督が引用するブレヒトの以下の一…

ジョイス−ラカン−ウルフ

以下告知です。みなさま奮ってご参加ください。 日本英文学会関東支部主催ワークショップのご案内【日時】:2009年11月14日(土)午後2時〜5時【場所】:成蹊大学10号館2階大会議室【講師】:Juliet Flower MacCannell (カリフォルニア大学アーヴァイン…

「批評的アクションをめぐって」 

ついに出ました。『レイモンド・ウィリアムズ研究』第1号。私はポール・ド・マン論を寄稿しています。 同人誌だが、300円くらいなら買ってくれる人もいるのじゃないか、これ。Book1st とかの棚に勝手に10冊ほどおいてきてしまおうか。あるいは出版社の無料PR…

で、どうする? 

id:shintak さんと id:malenie-ji-woo さんのところに報告・感想等があるように、昨日、同人誌の共同討議を行ってきた。録音した音声データを聞きながら改めて思うのだが、演出家のS さんとパフォーマーの H さんに参加していただいて本当によかった。この場…

そのひぐらし、凶暴につき 

ひぐらしの鳴き声が好きで、今の住処に越してきてよかったことのひとつは、夏の明け方と日暮れ時に、少し離れた小山からひぐらしの鳴き声が聞こえてくることだ。先日、帰宅途中に今年初のひぐらしを聞いた。その小山にある遊歩道を家に向かって歩いていたら…

デス・ドライヴでGO!

以下お知らせです。この講師とこのコメンテーターですから、面白度も充実度も挑発度も死の欲度もトリプルAに間違いありません。興味をお持ちの向きは、7月4日はぜひくにたちへ。 と言いながら、私は(ここには書けない諸事情のため)参加できそうになく、申…

Susan Boyle vs 丹波リンダ  

ひまでひまでしかたがないので、ひつまぶしいやひまつぶしに You Tube などを見ていたら、こんなのがありました。 http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0 これはやらせなのか。かりにやらせではないとしても、この演出と編集ではやらせに見えてもしか…

かなりナイーヴですが 

学会員以外は(もしかすると学会員すら?)読まないだろう或る学会誌に、↓の本の書評を書いた。この本は、ヴィクトリア時代の写真と文学をめぐる言説、両者の絡み合いを精査することによって、文学上のリアリズムという概念を定義し直そうとするもので、特に…

怒りの発現=発言を肯定する

15日の某学会シンポジウムでの或る出来事について、ここに書くかどうか迷ったが、やはり記しておきたい。私の報告が終わった後の質疑応答の時間に、某有名国立大学で長年教えていらした老人男性が、私の話を聞いていなかったとしか思えないトンチンカンな質…

命日 

「hidexi さんには、つまらない論文をたくさん書いて、早く違う職場に移ってほしい。」何回目かのコプチェク読書会の後の飲み会で、toshim さんにそう言われたのをしみじみと思い出す。(見えない)欲望へ向けて―クィア批評との対話作者: 村山敏勝出版社/メー…

「秋だ。俺たちの船は、動かぬ霧の中を・・・」

不貞腐れてばかりいないで、そろそろ反撃の烽火を上げようと思い、とりあえず以下告知します。 新英米文学会 10月例会 日時::2008年10月18日(土)午後2時〜5時 場所:早稲田奉仕園 アクセス 内容:第1回理論研究:アレゴリー論―その複数の始まりと未来…

エクスクレメンティス・アルテリウス

不貞腐れていないで、少しは仕事を進めないといけないということで、秋のシンポジウムに備えてベンヤミン「ゲーテの『親和力』」(『ベンヤミン・コレクションI』所収)を読んでいたら、カント『道徳の形而上学』の「婚姻」をめぐる例の一節が引用されている…

整理解雇の4要件

仕事のあと、22:00近くまで職場で「活動」。早くも問題が持ち上がり、その処理のために時間をとられた。明日は16:30より団交。「整理解雇の4要件」というのがあって(詳しくはたとえばこちらをどうぞ。)、私たちの場合は、全員が整理解雇の対象だから第3…

ついに 

本日、勤務先で使用者から重大な決定が通知される。数ヶ月前から嫌な予感はしていたのだが、実際は寝耳に水だった。そのうち報道されるかもしれない。様々な意味で理不尽きわまりない決定であり、その撤回を目指して、組合は最後の最後まで抵抗すると思う。…

9条どおっぞ〜、いや労働契約法の

本日17:00より、組合執行委員の引き継ぎ会。東京私大教連のKさんにも参加していただく。新委員長をはじめとする新執行委員の皆さん、よろしくお願いします。 ところで、意外と知られていないようなのだが、今年3月1日から施行された労働契約法の第9条は、私…

あのかけ声は「特出し」だったのか 

昨夜は神代辰巳『…特出し21人』を届いたばかりのヴィデオで見直して、感動の余りつい飲み過ぎてしまい(理由になっていないが)、今朝8時頃目が覚めたにもかかわらず結局起きたのは9時半。あの映画でストリッパーが「特出し」するとき、独特のアクセントで「…

赤と黒

仕事の後、渋谷宮下公園交差点近くの「カレーの王様」で腹ごしらえをしてから、アミューズCQNでポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)を見る。垂直のベクトルの対立(石油採掘VS信仰)と水平のベクトルの対立(パイプラ…

私は虫眼鏡を使わずに『エクス・ポ』が読める 

4月8日のエントリー(id:hidexi:20080408)では、ペドロ・コスタの新作『コロッサル・ユース』とヤング・マーブル・ジャイアンツの同名のアルバムとの関係を示唆しただけだった。先月末に発売された雑誌『エクス・ポ』第3号に掲載されているコスタ監督のイ…

Colossal Youth 

このあたりで何か書いておかないと、少しはまとまった時間ができるはずの8月まで更新しそうにないので(それはそれでかまわないのでしょうが)、純粋雑記ということで。 前回のエントリーにつながる話題として、ペドロ・コスタの新作『コロッサル・ユース』…

中村登『河口』

3.22シンポジウム無事終了。会場に足を運んでくださった方々、オーガナイザーのK先生、裏側からシンポを支えてくださった、S子さんをはじめとする日本女子大学のビューティーズのみなさん、どうもありがとうございました。それから報告者のみなさん、お…

国際精神分析・哲学学会

この3月にルーヴァンとパリで開催された国際精神分析・哲学学会の創立大会のレポートがこちらにあります。じつに面白そう。Charles Shepherdson さんが創立メンバーの一人となっているようで、melaniek さんが参加される5月の台湾での学会も、この流れで開か…

「欲望から解放される最善の方法は、欲望に身をゆだねること。」 

映画館に行くことを禁欲して3.22シンポの予習をしていると、ふとジョン・フォードの『わが谷は緑なりき』はとてもRW的な映画ではないかと思い至り、DVDを貯蔵庫から探し出してきて見る。というわけで、ちょうど一年前に某機関から(400字程度でと)依頼され…

前回のエントリーで取り上げたインタヴューを読んでイライラしていたとき、脳裏に浮かんできたのは、下記の松浦寿輝の詩の一節。 癈疾の半身を傾けて それでもほぼ垂直に 水槽の濁った油に浮かぶきよらかな人 師よ あなたは老いた

「活動」のあいまに

一昨日は5分間の休憩を入れて6時間におよぶ会議。昨日は休憩なしでほぼ4時間の団交。しかも組合側としてはほとんど私一人でしゃべる。今日は次回団交やら組合大会やらの準備のため終日自宅で雑務。私大教連の方とも電話で1時間ほど相談する(いつもありがと…

継続と反復

昨日24日、第9回レイモンド・ウィリアムズ研究会@日本女子大学で、Williams の Modern Tragedy(1966)に関する大貫隆史さん(釧路公立大学)の報告を聴く。明快稠密、豪胆にして繊細な議論で、とりわけイーグルトン(「盲目」の仕組みそのものへの盲目)とジ…

告知

レイモンド・ウィリアムズ研究会のお知らせです。詳細はこちらをどうぞ。ついでにお知らせすると、目白駅前の中華料理店「ジャスミン」が3月でビルごとなくなるそうです。あのビルも店も、いかにも「昭和30年代」という感じで好きだったのですが、残念です。…

組合の一季節  

組合員アンケートを集計し、丸二日かけて団体交渉要求書を作成する。書きながらしだいに怒りが込み上げてきて筆がすべるが、試案を私大教連の方にチェックしていただき何とか穏当なものに仕上がった。「怒り」というと、ベンヤミンが(人間的)怒りの最高度…

『他自律』

昨日Book1st渋谷で買ってきたハーマッハー『他自律』を読み始める。面白い。アジりを含んだ小冊子といった感じですぐ読了できると思ったが、中身はやはり濃く、欲張って他に3冊を平行読みしていることもあって、明日までかかりそうだ。他自律―多文化主義批判…

「改装のため閉店!」 

日本時間27日午後9時頃、ブット元首相が暗殺される。ベンヤミン『一方通行路』より。 貸衣装店(抄) 訃報を携えて行く者は、自分でも自分が重要な者のように感じられる。かれの感覚が――悟性の働きをすっかり抑えつけてでも――かれを、死者の国からの使者にし…