日活ロマン・ポルノな連休 

一昨日、ラピュタ阿佐ヶ谷で加藤彰『OL日記 濡れた札束』(1974年)と神代辰巳『濡れた欲情 特出し21人』(1974年)を見る。 
『OL日記 濡れた札束』は、若い男に貢ぐために横領を続ける真面目なベテラン女性銀行員(中島葵)の、濡れ場におけるクローズ・アップが印象的。シネスコのスクリーン一杯に映し出される、享楽の天空に堕ちていく年増の顔貌は、物語が与える複数の意味を表出しながらも、それらとは別次元にある星座を目を閉じたまま見つめているかのようだ。
『濡れた欲情 特出し21人』は神代節全開というべきフィルム。手持ちカメラによる移動撮影も、唐突なつなぎも、たんなるスタイル上の奔放さにとどまっていないのは、神代が「奔放な不自由」を身をもって生きているからに違いない。芹明香はここでも素晴らしい。これからラピュタ阿佐ヶ谷で上映される、田中登『(秘) 色情めす市場』(1974年)の芹明香も必見です。
《追記》 『(秘) 色情めす市場』の、芹明香を映した冒頭に近いショットが下の本のカヴァーになっている。

Hotwax責任編集 映画監督・田中登の世界

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