リドリーじゃなくてトニー

hidexi2007-08-15


マイ・ボディガード』(トニー・スコット監督、2004年)をDVDで。最近レンタルが開始された、同監督の『デジャヴ』(2006年)がやたらと評判がいいので借りようとしたのだけれど、その前にこれを観ておこうと思って。 

トニー・スコットの編集スタイルは独特で、コマ落としやスローを多用しながら短いショットを音楽に乗せてテンポよく繋いでいく。ときに「MTV的」と言われたりもするゆえんだ。このフィルムでも冒頭からそうしたスタイルが顕著で、本編が始まってもこのフィルムの広告を観ているような(退屈な)感じがしばらく続いた。 

こうしたスタイルが生きるのは何といってもアクション・シーンだ。メキシコ・シティの緑豊かで静かな街路が、少女誘拐を企てるグループと少女のボディガード(デンゼル・ワシントン)との銃撃戦の舞台と化すのだが、断片化した映像の連続が、少女とボディガードが共有する記憶を折り畳みながら、現実には呆気ないであろう出来事を数分間の「持続」として生起させる。(ところで、この10年くらいで最も印象深い銃撃シーンは、青山真治『EUREKA』の冒頭のバスジャックの場面だ。あのスタイリッシュなシークェンスは本当にすごい。)この編集スタイルなら、記憶の時系列の乱れを扱う『デジャヴ』にはぴったりだろうと想像がつく。 

エンディングに近い場面にも(以外さを含めて)息を呑む。ネタバレしたら未見の方に怒られると思うので、ここまでとします。

それと、言い忘れましたが、デンゼル・ワシントンの旧友役のクリストファー・ウォーケン、こんなに歳とってたんですね。顔の小皺も含めて、いい味出してます。