ソドムとBI 

訳者の kark さんよりご恵贈いただきました。どうもありがとうございます。

ソドム―法哲学への銘 (暴力論叢書 5)

ソドム―法哲学への銘 (暴力論叢書 5)

神学への直接間接の言及に満ちた、叙述のスタイルからして特異なこの本は、読了するのに時間がかかりそうなので(読んだのはまだ100ページほど)、読み終わる前にここでご紹介することに。訳者の方々のご苦労がしのばれる。
kark さんといえば、7月4日の表象文化論学会@駒場ジャン=リュック・ナンシーについて発表されます。(詳細は こちら)  
現代思想2010年6月号 特集=ベーシックインカム 要求者たち

現代思想2010年6月号 特集=ベーシックインカム 要求者たち

関曠野氏の「ベーシック・インカムをめぐる本当に困難なこと」が『現代思想』6月号に掲載されている(210-18頁)。ベーシック・インカム(BI)については、「財源はどうする?」、「福祉の切り捨てにつながるのでは?」といった、その実現に向けての問題が語られることが多いが、これらは関さんの言う「本当に困難なこと」ではない。その「困難なこと」は、まったく絶望的なアポリアだと思える。しかし、関さんは諦めてはいない。といってもその姿勢は、BI実現へのかすかな希望を抱くという構えではない。BIを可能にする社会信用論に対応する徹底したデモクラシーという希望は、人が意図して抱くものであるよりも、歴史が人に強いるものなのだ。だから私たちは、絶望と「危機の中でもしっかりと目を開き根気よく学び続けなければならない」(218頁)。