浅見貴子展―光を見ている

19日夕刻、仕事帰りに途中下車して「浅見貴子展―光を見ている―」@アートフロントギャラリー(無料)を観に行く(24日まで。詳細はこちら。)  

ガラス張りの部屋に展示されているので、街路からも作品の一部を見ることができる。画廊までの道に迷いかけたが、遠くに浅見氏の作品が見えてほっとした。圧倒的な存在感だ。 

樹木を撮ったフィルムのポジとネガが同時に焼き付けられているような、しかし写真ではなく水墨画。黒い葉(のようなもの)は背後から光を浴び、白い葉(のようなもの)は背中に陰を背負う。光は、どこか一点から放射されているのではなく、たゆたうように画面の奥行きに偏在していて、光によって樹木が可視化されているというよりも、樹木が光を抱え込んでいるような印象を受ける。点々と打たれた墨の黒さそのものが、複雑なリズムを刻みながら光を震わせる。そのやわらかな震動が、私の身体のざわめきと共振していた。 

上のホームページに出ている作品よりもひと回り小さい「樹木図10」(53.5×45.5cm)という作品、価格は180,000円とのこと。あとさき考えずに本気で買おうかと思った、けど買わなかった小心者です。