Monk’s Mood

バイトと酒とスピノザとチャンドラーに浸っていた日々の淵で、このアルバムの8曲目(旧版では9曲目)の ‘Monk’s Mood’ を何度聴いたかわからない。とくに、モンクのピアノとコルトレーンのサックスの絡みにウェアのベースが入ってくるところなんて、いま聴いてもかっこよすぎる。あの頃、ボロ布のようなって帰宅したからだに、この曲がアルコールといっしょに慈雨のように沁み込んできた。貫徹すべき初志など始めからなかったはずだが、私の知らないところで貫徹されていた初志をこの曲が運んでくる。

セロニアス・ヒムセルフ+1

セロニアス・ヒムセルフ+1