世が世なら 斬って捨てるも 刀の汚れ  


4日のシンポジウムは無事終了、という報告が今頃になってしまったのは、気を遣う書類書きがあったから(なぜかRWシンポの後もそうだった)。講師のみなさんがそれぞれの持ち味を出して奮闘してくださったおかげで、知的刺激に満ちたプロヴォカティヴなシンポジウムになったと思う。講師のみなさんとご来場くださった方々に対して、この場をかりて重ねてお礼申し上げます。今後協会のなかで反動の波が押し寄せてくるだろうから、あんなシンポはもう当分できないだろうなぁ。 
自分の発表に対する反応について一言だけいっておくと、ワイルドの「内と外との調和」というテーマと疎外論有機体論(ド・マンのいう「パストラル的思考」)とは無関係だといい張る向きには、Lionel Trilling, Sincerity and Authenticity の熟読を要請する。 
ところで今日、いいことがありました。前回のエントリーを読んでくれていたM藤さんが、非常勤先の講師室で、詩集『まばゆいばかりの』の作者、朝吹亮二さんを紹介してくださったのです。今はない詩集専門書店「ぱろうる」で、朝吹さんや松浦寿輝氏らの同人誌『麒麟』のバックナンバーを買い求めていたのは大昔のこと。授業の直前だったので、そんなお話をする余裕もありませんでしたが、ご挨拶できただけでも光栄です。帰宅してから、『まばゆいばかりに』のなかの数編の詩を読む。朝吹さんにとっては16年ぶりの詩集ということで、文字と文字とのあいだから、時を重ねたまばゆい世界が立ち現れる。 
下のCDは、シンポジウムを準備しているときに久しぶりに聴いていたもの。Tape というのは、ストックホルム在住の「エレクトロ・アコースティック」バンド。何度聴いても飽きない。

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