やはり


『とどまるか なくなるか』(瀬田なつき、2002)@ユーロスペース 
『彼方からの手紙』、『むすめごころ』に先立つこの作品も「少女」が主人公の映画なのだけれど、初めてこれを観て、瀬田なつきは少女を主人公にしなくても映画を撮れる監督なのだということが逆によくわかった。いのちの凶暴さに、惹かれていると同時に突き動かされている。畳みかけてくる不幸を、抗いつつも受け入れる少女がそのからだで示しているのは、生きるということは、生きることが要請する鈍感さを生きることであるという絶望的な至福だ。その認識は、敵のいない闘争を戦うという無言の宣戦布告でもある。