ジョン&ジーナ 


先日、思い立って誕生日の夜中に『オープニング・ナイト』(ジョン・カサヴェテス、1978)を久しぶりにDVDで見た。凄まじいの一言。この映画を見返すたびに(つまりこちらが齢を重ねるにつれて)、ヒロインの舞台女優(ジーナ・ローランズ)の絶望の深さと希望の純粋さが胸を打つ強度が増してくる。DVDの特典映像でジーナ・ローランズとベン・ギャザラが対談していて、そこでのローランズの回顧談によれば、映画のエンディングに近い場面、こけら落とし(オープニング・ナイト)の舞台上でのローランズとカサヴェテスとのやりとりが、二重の意味で即興だった(つまり、劇中劇である舞台上での二人のやりとりは脚本を無視した即興であるという設定なのだが、その即興を演じる芝居自体が即興だった)と知って、ベン・ギャザラと共に言葉を失う。それにしても、タバコを口にくわえたジーナ・ローランズの姿はかっこよすぎる。

オープニング・ナイト HDリマスター版 [DVD]

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