アフォーマティヴ、ストライキ

1月6日のエントリーで書いたように、ハーマッハーとド・マンのつながりが気になるので、田崎氏の「無能本」の「文献案内」も参考にしながら、ハーマッハーの著作・論文をいくつか集めた。で、タイトルからして刺激的な Verner Hamacher, “Afformative, Strik…

理論(のアポリア)という経験

先日3日のエントリーで言及した『他自律』について少し。著者のハーマッハーは、文化の、資本の、民主主義のアポリアを剔抉しつつ、カントが「人倫の形而上学の基礎づけ」で説いた、自己愛を挫折させる「尊敬」という概念を徹底化することで、共約不可能な特…

『他自律』

昨日Book1st渋谷で買ってきたハーマッハー『他自律』を読み始める。面白い。アジりを含んだ小冊子といった感じですぐ読了できると思ったが、中身はやはり濃く、欲張って他に3冊を平行読みしていることもあって、明日までかかりそうだ。他自律―多文化主義批判…

『ムーたち2』

榎本俊二『ムーたち2』を読み、放笑爆笑哄笑そして妙にほのぼの。『週刊モーニング』に『ゴールデンラッキー』の連載が始まったときも驚愕したけど、あれからさらにとんでもないところまできてしまったな、この人。元日に相応しい読書でした。 ムーたち(2) …

パストラルの考古学、マルクス、ハイデガー  

昨日22日、第8回レイモンド・ウィリアムズ研究会@日本女子大学に参加。William Empson, Some Versions of Pastoral (1935) のChap.1 Proletarian Literature に関する河野真太郎さんの発表を聴く。Some Versions of Pastoral (New Directions Paperbook ; 9…

『人のセックスを笑うな』

1年ほど前のエントリーで、井口奈己監督の『犬猫』(2004年)を取り上げたが、その井口監督の商業映画第二作『人のセックスを笑うな』が1月19日よりロードショー公開される。と聞いて、山崎ナオコーラの原作を読んだ。人のセックスを笑うな (河出文庫)作者: …

予兆? 

昨日、某駅で下車して改札口に向かっていると、すぐ後ろから民謡か何かを唸る異様な低音が聞こえてきたので何だろうと思って振り返ると、トレードマーク(?)の赤いキャップを被った中平卓馬氏がいた。最近、自宅の机上のよく見えるところに↓の本を置いて、…

かなうものなら、ハンプティ、かけてよもっとバイアスを 

昨日と一昨日の電車の中で、原武史『滝山コミューン一九七四』(講談社、2007年)を読む。アマゾンの読者レヴューを見たら評価がとても高いので、ここで少々悪口を言っても営業妨害にはならないだろう。 「政治の季節」は72年で終わっていない、それ以降も小…

『無能な者たちの共同体』

ついに未来社から出るようだ、田崎氏の本。未来社のホームページにある近刊情報を下にコピペしておきます。田崎さんの単著としては、青弓社の『夢の労働 労働の夢』、河出の『セックスなんて こわくない』、岩波の「思考のフロンティア」シリーズの中の『ジ…

Modern Tragedy とモダニティ 

昨日27日、第7回レイモンド・ウィリアムズ研究会@日本女子大学で、Williams の Modern Tragedy(1966)に関する大貫隆史さん(釧路公立大学)の報告を聴く。その後のコアな質疑応答も含め、大いに啓発される。行ってよかった。ただ、私は件のテクストを数十ペ…

「一神教」の発明

『SITE ZERO/ZERO SITE』no.1(2007年)所収の、エティエンヌ・バリバール「「一神教」という言葉の起源と用法に関するノート」柿並良佑訳、を(本日の勤務時間の合間に)読む。イスラーム神学などの用語が多く使われていたりして、訳者の苦労が察せられる…

ドーラ!

今日から後期の通常業務開始。午前中会議一つ。午後に会議二つと学生ミーティング(というのがあるのです)。そして17時から組合の団体交渉。執行委員長なのでしゃべりまくるが、いつもより抑え気味。罵声も発せず。なぜかといえば、団交のあと余力をもって…

生政治を動物に語らせよ

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: 130回この商品を含むブログ (253件) を見る東浩紀・北田暁大『東京から考…