映画

NHK・ETVで森崎東

備忘録:12月21日(土)夜のETVは森崎東監督特集。今日のトークショー@オーディトリウム渋谷で知りました。

石の賛美歌

ミッシェル・クレイフィ監督『石の賛美歌』上映のお知らせ。 日時:2013年11月23日(土)12:30より 場所:横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール 以下、チラシや下のHPに掲載されている情報です。 Canticle of the Stones (山形国際ドキュメンタリー映画際 '91特別…

『風立ちぬ』の吐血ショット 

宮崎駿監督『風立ちぬ』で菜穂子が血を吐くショットがずっと気になっている。見てからひと月ほど経つので細部の記憶はあいまいになっているのだけれども、結核を病む婚約者の菜穂子が吐血したとの電報を名古屋で受け取った二郎が、東京の自宅にいる菜穂子を…

小津の「枕ショット」

小津安二郎の「枕ショット」こちら

フレデリック・ワイズマン特集@アテネ

アテネのワイズマン特集で『病院』と『基礎訓練』。上映後の佐々木敦氏との対談における写真家ホンマタカシ氏の話も刺激的だった。シャッターを切る特権的瞬間やそれが帰属する作家性を強調することを従来から疑問視してきたホンマ氏は、ワイズマンの作家性…

フレデリック・ワイズマン特集@アテネ

アテネのワイズマン特集で『病院』と『基礎訓練』。上映後の佐々木敦氏との対談における写真家ホンマタカシ氏の話も刺激的だった。シャッターを切る特権的瞬間やそれが帰属する作家性を強調することを従来から疑問視してきたホンマ氏は、ワイズマンの作家性…

2012年 極私的ベストテン

毎年のことながら、特に新作映画はあまり見ていないので、以下私的なメモ程度のものです。 新作映画(ほぼ見た順) 『果てなき路』(モンテ・ヘルマン) 『ル・アーヴルの靴みがき』(アキ・カウリスマキ) 『ダーク・シャドウ』(ティム・バートン) 『愛の…

2012年 映画・極私的ベストテン 

毎年のことながら、特に新作映画はあまり見ていないので、以下私的なメモ程度のものです。 新作映画(ほぼ見た順) 『果てなき路』(モンテ・ヘルマン) 『ル・アーヴルの靴みがき』(アキ・カウリスマキ) 『ダーク・シャドウ』(ティム・バートン) 『愛の…

『トラック野郎 度胸一番星』(再掲)

『トラック野郎 度胸一番星』(鈴木則文、1977)をDVDで。このシリーズ第5作でも則文節炸裂!佐渡島にいるマドンナ(片平なぎさ)に会うために、佐渡に関する文献を集めてドライブインでにわか勉強する桃次郎(菅原文太)が読んでいる本の表紙がアップになるとそ…

『トラック野郎 度胸一番星』

『トラック野郎 度胸一番星』(1977)をDVDで。このシリーズ第5作でも則文節炸裂!佐渡島にいるマドンナ(片平なぎさ)に会うために、佐渡に関する文献を集めてドライブインでにわか勉強する菅原文太が読んでいる本の表紙がアップになるとそれは『サド侯爵夫人』…

あいラブ健さん

別のところに書いたものとほとんど同じですが、ちょっとだけ加筆してこちらにも。 昨日はオーディトリウム渋谷で「木村栄文レトロスペクティヴ」から3本。噂に違わずどれも面白かった。特に素晴らしかったのは『あいラブ優ちゃん』(1976)。「知的障がい」…

木村栄文レトロスペクティヴ@オーディトリウム渋谷

今日はオーディトリウム渋谷で「木村栄文レトロスペクティヴ」を3本。噂に違わずどれも面白かった。特に素晴らしかったのは『あいラブ優ちゃん』(1976)。「知的障がい」を持つ愛娘に注がれた木村の視線の愛の深さに感じ入る。人は一人で生きているのではな…

みらいを忘れない

『魔法少女を忘れない』(堀禎一、2011)をDVDで見て涙。「みらい」の記憶と忘却をめぐる、音と映像によるポップで幻想的でエロい省察。『妄想少女オタク系』や『憐 Ren』でもそうだったけれど、堀監督は自転車をどう撮るかということに賭けているような気が…

みらいを忘れない 

『魔法少女を忘れない』(堀禎一、2011)をDVDで見て涙。「みらい」の記憶と忘却をめぐる、音と映像によるポップで幻想的でエロい省察。『妄想少女オタク系』や『憐 Ren』でもそうだったけれど、堀監督は自転車をどう撮るかということに賭けているような気が…

幸せは誤配される

いつの間にかDVDスルーされていた『トゥー・ラバーズ』(ジェームズ・グレイ、2008)を見る。ありきたりの物語ではあるけれども(ドストエフスキーの『白夜』が基になっているとのこと)、これまでのグレイ作品における役柄とは一見打って変わった、とはいえ…

幸せは誤配される 

日本で劇場公開されないまま、いつの間にかDVDが出されていた『トゥー・ラバーズ』(ジェームズ・グレイ、2008)を見る。ありきたりの物語ではあるけれども(ドストエフスキーの『白夜』が基になっているとのこと)、これまでのグレイ作品における役柄とは一…

2011年新作映画・極私的ベスト5  

昨日30日に『サウダーヂ』を見て今年を締めようと思っていたら、その前夜に扁桃腺が腫れあがり熱もでてきて、こうなってしまったら医者から抗生物質を処方してもらわないと大変なことになるのですが、近くにある病院や町医者は年末でどこも休みで、市販薬を…

特集「鉛の時代――映画のテロリズム」@東京日仏学院

2011年11月28日(月)から12月18日(日)までのあいだに、東京日仏学院で下記の特集上映がある。(詳細はこちら)この時期なら映画館へ通う時間をつくれるのではないかという淡い期待を込めて、備忘録的に。ああフィルメックスの相米慎二、ニコラス・レイと…

friends after 3.11 

岩井俊二監督のドキュメンタリー『friends after 3.11』の、part 3(こちら)の、小出裕章氏のインタヴューのところだけでもいいですから、ぜひご覧ください。 《追記》岩井監督ですから、エンディングの審美化は予想していたとはいえ勘弁してくださいと言い…

エリセ来日

先ほどNHKの「クローズアップ現代」で、河瀬直美監督が executive director を務める「3.11 A Sense of Home Films」というオムニバス映画が特集されていた。この映画は、東日本大震災をテーマとして世界中の名だたる映画作家が3分11秒の短編映画を撮るとい…

フィリップ・ガレルの新作とリーディング『アンチゴネー』 

フィリップ・ガレルの新作 UN ÉTÉ BRÛLANT に、『華麗なるアリバイ』(パスカル・ボニゼール、2007)に出ているのを見て個人的に注目しているセリーヌ・サレット(Céline Sallette)が出演している。予告編はこちら。相変わらず幸せ薄そうな瞳。これも早く見…

『東京公園』がロカルノ映画祭で

ニュースとしてはちょっと古くなるけれど、『東京公園』(青山真治、2011)がロカルノ映画祭でグランプリと並ぶ「金豹賞審査員特別賞」を受賞した(こちら)。7月に封切りされてまもなく上映終了となってしまっていただけに、この映画のすばらしさが由緒ある…

追悼 原田芳雄 

この役者がいつもどこかの映画に出ていると想像するだけで、世界はまだなんとかなるという気持ちになれた。3年前のインタヴュー記事がこちらで読める。遺作となってしまった『大鹿村騒動記』(阪本順治、2011)、必ず見に行きます。

トウキョウコウエン

千葉方面で2コマのあと、(いつもなら横浜方面にとんぼ返りしてもう1コマあるのだけれど)今日は新宿で『東京公園』(青山真治、2011)を見る。いい映画だな、と新作を見終わってからしみじみ思ったのは久しぶりかもしれない。それぞれがそれぞれの思いを抱…

「そういう人が少しはおられるのが街というものではないでしょうか」

『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』(森崎東、1985)を見た人なら、原発で危険に身を曝しながら働かざるを得ない最底辺の下請け労働者たちを他人とは思えないだろうし、各地の原発を渡り歩くそうした労働者たちが或る差別語で呼ばれている…

『ほしのこえ』は別  

日本映画学会の会報に書評を書きました。こちらで読めますので、よろしかったらどうぞ。コテコテの学術書ではない、広い読者層が想定される本を学術的なメディアで書評する場合にはそれなりの戦略が必要で、今回は著者にかなり同一化、というか転移して書き…

「晴れた日には誰か死ぬ気がする」 

昨日『ザ・タウン』(ベン・アフレック、2010)をTOHOシネマズ六本木ヒルズで。 私にとってアメリカ映画の美点の一つと思えるのは、共同体から離脱した人間が生きていける山や森や川があたりまえのように存在しているところ。この映画の舞台であるボストンの…

2010年新作映画・極私的ベスト5 

今年日本で公開された新作映画のごくごく一部しか見ていないので、以下のベスト5は個人的なメモ程度の意味しかありません。 1.『ゴダール・ソシアリスム』(ジャン=リュック・ゴダール) 2.『トスカーナの贋作』(アッバス・キアロスタミ) 3.『キック・アス…

『ゴダールの社会主義』です。

『ゴダール・ソシアリスム』(J. L. ゴダール、2010)の公開初日に駆けつける。まず驚いたのは、海。ゴダール以外の映画の海と違うのはもちろん、これまでのゴダールの映画のどの海(または湖)とも違っている。まあ、これまでは主に海岸や湖岸から撮った海…

ジョン&ジーナ 

先日、思い立って誕生日の夜中に『オープニング・ナイト』(ジョン・カサヴェテス、1978)を久しぶりにDVDで見た。凄まじいの一言。この映画を見返すたびに(つまりこちらが齢を重ねるにつれて)、ヒロインの舞台女優(ジーナ・ローランズ)の絶望の深さと希…